2017年4月22日土曜日

ESXi 6.0上にESXi 5.5の仮想マシンを作って、ESXi用のVMware Toolsをインストールした話 (ESXi on ESXi)

自宅の検証環境はESXi 6.0で構築しているが、ちょっとESXi 5.5の検証作業が必要になったので、仮想マシンとしてESXi 5.5を作成することにした。これは、Nested ESXiとかESXi on ESXiと呼ばれる方法で、検証等ではよく用いられる手法である。

本記事ではESXi 6.0上にESXi 5.5の仮想マシンを作成する方法と、ESXi 5.5用のVMware Toolsのインストール手順について記載する。

ESXiのインストール

まず、ESXi用に仮想マシンの箱を作成する。ESXi 6.0では、仮想マシンのOS選択にて、「その他」の中にESXiが選べるようになっているので、適切な種類を選択すればよい。今回は、ESXi 5.5なので、「VMware ESXi 5.x」を選択した。


また、ESXiにはインストール最小要件があるので注意する。以下KBに記載がある通り、ESXi 5.5の場合は、CPUは2コア以上、メモリは4GB以上必要となる。

・ESXi 5.5 のインストールおよびアップグレードのベスト プラクティス (2080534)
 https://kb.vmware.com/selfservice/microsites/search.do?language=en_US&cmd=displayKC&externalId=2080534

作成した仮想マシンを起動する前に、vmxファイルを修正する必要がある。データストアブラウザにてvmxファイルをダウンロードし、最下行に以下2行を追加したのち、アップロードして上書きする。

------------------------------
vhv.enable = "TRUE"
hypervisor.cpuid.v0 = "FALSE"
------------------------------

作成した仮想マシンを起動させ、VMware社のサイトからダウンロードしたESXiのisoをマウントしてブートさせる。Nested ESXiであっても、インストール方法は特に変化がないため、ここでは詳細は割愛する。なお、ここで、CPUやメモリが最小要件を満たしていない場合、以下のようなエラーメッセージが表示され、インストールを進めることができないので注意。


ESXiの初期設定

正常にESXiのインストールが終わり、起動が完了したら、まずは仮想マシンのコンソールを用いて、管理用のIPアドレス設定をしておこう。


管理用ポートの設定ができれば、後はvSphere Clientにて接続して操作・設定が可能となる。ただし、ESXi 5.5にはvSphere Client 6.0では接続できないので、vSphere Client 5.5をインストールしておくことが必要となる。

なお、vSphere Clientは上書きインストールにはならず、各バージョンが共存して利用可能である(接続先のESXiやvCenter Serverのバージョンに応じて、適切なバージョンのvSphere Clientで接続がされる)ので、既に別バージョンのvSphere Clientがインストールされていたとしても、単純にvSphere Client 5.5のインストーラーを実行して、インストールしてしまえばよい。

ESXi用のVMware Toolsのインストール

以下URLからESXi用のVMware Toolsをダウンロードできる。

・VMWARE TOOLS FOR NESTED ESXI
 https://labs.vmware.com/flings/vmware-tools-for-nested-esxi#summary

なお、このVMware Toolsは、ESXi 6.0以降をネストする場合は不要のようだ。上記URLに「This Fling's functionality is now integrated into ESXi 6.0 and later. However, you can still download the Fling for ESXi 5.*」と記載されているとおり、ESXi 6.0以降では本機能(VMware Tools)は、もともと本体に組み込まれている模様。

ちなみに、ダウンロード場所が若干わかりづらいが、本文にさらりと記載されている、「This VIB package」のリンクをクリックすればよい。以下ファイル名のVIBファイルがダウロードされる。容量は2MB以下とコンパクト。

 esx-tools-for-esxi-9.7.2-0.0.5911061.i386.vib

ダウンロードしたVIBファイルは、vSphere Clientのデータストアブラウザを使って、アップロードしておく。今回は、ESXiのローカルディスクであるdatastore1にアップロードした。


VIBファイルをアップロードした後は、ESXiシェルにてインストールを実施する。親ESXiにて仮想コンソールを使うか、sshを有効にしている場合はsshにてESXiシェルにログインする。

ログインしたのち、以下コマンドを実行する。実行後、「The update completed successfully」と表示されれば成功。

# esxcli software vib install -v /vmfs/volumes/datastore1/esx-tools-for-esxi-9.7.2-0.0.5911061.i386.vib
------------------------------
Installation Result
   Message: The update completed successfully, but the system needs to be rebooted for the changes to be effective.
   Reboot Required: true
   VIBs Installed: VMware_bootbank_esx-tools-for-esxi_9.7.2-0.0.5911061
   VIBs Removed:
   VIBs Skipped:
------------------------------

インストール結果に記載されている通り、ESXiの再起動が必要となるため、再起動をしておく。

# shutdown -r

後は親ESXiでVMware Toolsの実行状況を確認すればよい。「実行中 (サポート対象外)」という表示になっていればOK。IPアドレス情報が確認できるし、ゲストのシャットダウン等の機能も利用できるようになる。


以上で作業は完了となる。

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